身近で楽しくて役に立つタネを、心の中で育んでいって、たくさんの幸せを咲かせてくださいね。
←戻る

住宅街に「ホタルのひかり」を~日本の風情届けます~


 座間市入谷の住宅街。小川に沿って細い路地を入っていくと、小さな池があります。植物に囲まれたこの池は、「住宅街にホタルを飛ばそう」という試みで作られたもの。地域の住民有志の方と、座間市内でホタル発生地の保全活動をしている『座間のホタルを守る会』のメンバーの方の「手作り」なのです。すっかり初夏の陽気に変わり始めた今月は、情緒溢れるこの活動をご紹介します。
 始まりは2006年6月。「『座間には、せっかくキレイな湧水が流れているのに、ただ下水に流しているだけではもったいない。この水を何かに使えないだろうか?』と思ったのがきっかけ」と話すのは、中心となってこの活動を動かしている鈴木達幸さん。実は鈴木さん、地元の竹を使いオリジナルの作品を制作している『バンブークラフト』作家という顔も持っています。いどばたかいぎでも昨年ご紹介したので、覚えている方もいらっしゃるかもしれません。
 写真で見て頂くとわかる通り、柵があったり、石畳があったり、今ではキレイに整えられていますが、元々は本当に何もないただの小川でした。そこに土留をし、川底には砂利や石を敷き、周囲には草花を植え、爽やかな雰囲気漂う池が出来上がったのです。「バンブークラフトもホタルの活動も、定年退職後に始めたもの。だから、いかにお金を使わずに遊ぶかが大事だよね」と、茶目っ気たっぷりに笑う鈴木さん。土留に使った倒木は近くの林から、石や瓦礫・植木は取り壊された家からもらい、リヤカーで運んできたそうです。
 「そんな大げさなものではないけれど、設計から全て自己流。工事も3人でやったから、この年だとちょっとキツかったね(笑)。以前から庭の手入れをしていたのが役に立ったよ。『大きなガーデンニング』というイメージかな」と話します。
 池を整えた後、まず、ホタルの幼虫の餌となるカワニナを放流し飼育。翌年の春にはホタルの幼虫を放流しました。その年の夏には、地域の方や子どもたちが見守る中、10匹ほどが美しく光を放ちながら飛び回ったそうです。その時の気持ちを、「やっぱり感動したね。ホタルよりギャラリーの数の方が多かったけど(笑)、期待されているのがわかったし」と振り返ります。
 しかし、街灯や家の灯りで池の周りが明るすぎる、池が小さいなど、住宅街ならではの問題に加え、ホタルの天敵になるザリガニ対策など、数々の課題も。そして何より、「住民の生活を邪魔しない」ということも大切な要素。そこで昨年は池の拡張工事を行い、遮光対策として木を植えたり、竹の柵を作ってツタ植物で覆ったりといった改善を加えました。ポイントは、「できるかぎり自然のものを使う」こと。地域の雰囲気を壊さず、繊細なホタルにも影響しないよう配慮しています。
 昨年は、工事のためホタルを見ることはできなかったそうですが、今年は35匹ほど幼虫を放したそうで、「そのうちの何匹が飛んでくれるかな?」と、今から楽しみな様子。いずれは20〜30匹飛んでくれるようになるのが目標。それに合わせて、「この池が住民の憩いの場になっていくといいね」と話す鈴木さん。近所でホタルを見られることは、子どもたちにとっても、地元に愛着を持つことができる貴重な体験になるかもしれません。
 ホタルが飛び始めるのは5月末くらいから。周辺に植わっているアヤメやアジサイなど、色とりどりの花も次々に咲き始めます。キレイな水が流れている座間ならではの活動が、住宅街に日本の風情を漂わせます。(記/はな)

プライバシーポリシー利用規約お問合せ運営会社
Copyright (C) 2008 エムスリー株式会社 All Rights Reserved.