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『切り絵』の世界へようこそ!〜一生懸命になるものがあると、元気になれる!〜

白と黒のコントラストでできた切り絵は一般的ですが、カラフルな色とデザイン性の高い作品を生み出している長田百合子さん。色紙や和紙、海外の紙などを使ったりして今までのイメージを変えた方です。切り絵と貼り絵を合わせたものや、墨を使う新しいかたち「カレイドキリバリエ目彩」とは、どのような作品でしょうか。

 長田さんが小学生の時、学校のグラウンドにアイヌの方が来て舞踊を披露したそうです。その時見た、アイヌの民俗衣装の背中の模様に目を奪われました。デザインの魅力に衝撃が走ったそうです。お父様の転勤で北海道へ行った時、またアイヌの模様が見れると内心喜んでいたとか。絵を描くことや版画が好きで、絵画コンクールでもらった賞状もたくさんあります。後になりわかったことですが、当時、平塚に住む叔母様へ北海道から手紙とデザインした絵などを送っていました。叔母様が亡くなり遺品整理をしていた時、当時のまま大事に保管されていたそうです。そんなことも忘れていた長田さんでしたが、50年ほど前のご自分の初デザインとの対面に驚いたそうです。
 デザイン学校時代、二科展へ初出展。版画用の版木を買うお金がなく、黒い紙で版画を表現した作品で準入選にはいりました。ここが切り絵の始まりです。何枚もの紙を重ねて創りあげる切り絵。多いものでは50枚にもなります。小さいものから大きなものまで、デザイン、色の組み合わせ、紙質に至るまで考えます。長田さんの作品は独特で、何枚重ねても糊付する箇所を極力少なくして見た目の美しさを重視します。作品を振ってもバラバラになることはありません。
 ご結婚後も切り絵の作品を創り続け、切り絵協会の作品展や市の展覧会に出展し「きりふきの滝」(平塚八景)で大賞になりました。
元々、手先が器用で凝り性。数えきれない程の趣味の作品を作ってきました。さらに講師もできる免状をいくつもお持ちです。ご自分では「一人カルチャー教室」と笑っていました。
 様々な出会いが長田さんを待っていました。まず、ガラスに絵を描くことと出会います。同時に切り絵では、自分で紙に色を付けたいと悩んでいた時に「見てみない?」と紹介されたのが墨でした。大変珍しい紀州松煙墨(きしゅうしょうえんぼく)・と色のついた彩煙墨(さいえんぼく)を知りました。日本で一人きりの墨職人との出会いです。切り絵からガラス、そして紀州松煙墨・彩煙墨と次々に声をかけてくれる方がいて、偶然にも近くで展示会などがあり足を運んだりもできました。
「転がるような縁の繋がりに本当に驚いているんです。今までしてきたことが、やっと噛み合ってきた感じです」と長田さん。『墨』の魅力にはまり、切り絵とガラスにどう組み合わせるかを思案中。
 5、6年前からやっと銀座で年1回の個展を開くようになります。この時、すでに切り絵を初めて40年は経っていました。長田さんは「切り絵は趣味の一環だから」と思っていて個展など考えもしなかったようです。息子さんからは「お母さんの作品は海外でウケるよ」と言われていたそうです。そして昨年、フランス・パリで行われた切り絵協会の展覧会に出展を果たしました。海外で受け入れられた切り絵がこれから発展していくことでしょう。
 切り絵について、分かりやすく説明していただいた長田さん、どうもありがとうございました。

取材協力/アトリエ たちばな【カレイドキリバリエ目彩・日本きりえ協会会員】

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